自損事故で保険を使うと等級はどうなる?等級ダウンしないケースとは
2024年12月25日
「そもそも等級ってなに?」
「等級ダウンしないケースはあるの?」
自損事故の際、加入している車両保険の使用を検討している方も多いでしょう。しかし、その際に気になるのは「等級ダウン」ですよね。そこで、この記事では、自損事故による等級ダウンの仕組みについて、詳しく解説していきます。
初歩的な内容から詳しく解説していきますので、車両保険の使用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
等級とは車両保険料の割増・割引を決める制度

そもそも、車両保険における等級とはどのような制度なのか。
等級とは、保険料の割増・割引を決める制度で、1~20までのランクがあります。等級が高いほど、つまり20等級に近いほど保険料の割引額が高くなる仕組みです。
通常は、6もしくは7等級からスタートし、1年間保険を使わなければ1等級あがります。反対に、事故を起こして保険を使用した場合、翌年は等級が下がり、保険料がアップします。
このように、保険料を決めるうえで等級は欠かせない要素といえます。
【車両保険】主な2つの等級ダウン

保険を使用すると等級が下がるとお伝えしましたが、等級ダウンには大きく2種類あります。
・3等級ダウン
・1等級ダウン
それぞれどのようなケースが該当するのか、詳しく解説していきます。
3等級ダウン
3等級ダウンは、事故で対人賠償保険や車両保険を使用した場合に起こります。おもな3等級ダウンのケースは以下のとおりです。
・交通事故で相手がケガをし、対人賠償保険を使用した場合
・電柱やガードレールに車をぶつけて車両保険を使用した場合
・当て逃げの被害に遭って車両保険を使用した場合
上記のとおり、自損事故のほとんどは3等級ダウンに該当します。
1等級ダウン
基本的には3等級ダウンですが、中には1等級ダウンですむケースもあります。1等級ダウンのおもなケースは以下のとおりです。
・盗難被害により車両保険を使用した場合
・台風や洪水などの自然災害により車両保険を使用した場合
・いたずらや落書き被害により車両保険を使用した場合
1等級ダウンになるケースは、自分自身に過失がない場合です。盗難や自然災害からは逃れることができません。このような自分自身に過失がない場合は1等級ダウンですむケースがあります。
【ノーカウント事故になりにくい】自損事故は等級ダウンが基本

交通事故の場合、3等級か1等級ダウンするのが基本ですが、中には等級ダウンしない「ノーカウント事故」があります。ノーカウント事故のおもなケースは、以下のとおりです。
・自分がケガをして人身損害保険金のみ支払われた場合
・弁護士費用保険金のみ支払われる場合
・もらい事故により車両保険金が支払われた場合(車両保険無過失事故特約を適用)
自損事故の場合は、ノーカウント事故になることが少ないので、どのケースで何等級下がるのかなどはしっかり確認しておきましょう。
等級の保険料割増引率と事故有係数適用期間

等級がダウンすると、定められた割合(保険料割増引率)で保険料が上がります。しかし、保険料の変動には等級の他にも、事故有係数適用期間といった要素が関係します。
・保険料割増引率
・事故有係数適用期間
以下でそれぞれについて解説します。
保険料割増引率
保険料割増引率とは「保険料の割引の大きさ」です。等級が高くなるほど割引率も大きくなり、保険料が安くなります。
事故を起こしていない人:無事故係数(より大きな割引が受けられる)
事故を起こした人:事故有係数(割引が小さくなる)
同じ等級でも、事故を起こしていない人と事故を起こした人では割引率が異なります。
事故有係数適用期間
事故有係数適用期間は、事故を起こした後に割引が少なくなる期間です。事故の種類によって、以下のように期間の長さは変わります。
3等級ダウン事故:3年間
1等級ダウン事故:1年間
ノーカウント事故:0年間
期間中にさらに事故を起こすと、最長で6年期間が延びます。等級が下がるだけでなく、長期間にわたって保険料の割引も少なくなるため注意しましょう。
1回の事故が保険料に与える影響は予想以上に大きいです。軽い自損事故の場合は、保険を使わずに修理する選択がおすすめです。
自損事故は車両保険「エコノミー型」の補償範囲外

自損事故の保険適用を考える際、加入している車両保険の種類が重要です。車両保険には、
・一般型
・エコノミー型
の2種類があり、補償範囲が大きく異なります。一般型とエコノミー型では、以下の違いがあります。
一般型 | エコノミー型 | |
他車との衝突・接触 | 〇 | 〇 |
落書き・いたずら | 〇 | 〇 |
盗難 | 〇 | 〇 |
飛来中または落下中の他物との衝突(飛び石など) | 〇 | 〇 |
台風・竜巻・洪水・高潮・火災 | 〇 | 〇 |
雹(ひょう)・霰(あられ) | 〇 | 〇 |
当て逃げ | 〇 | 〇 |
自転車との接触 | 〇 | 〇 |
人・動物との衝突・接触 | 〇 | 〇 |
転覆・墜落 | 〇 | × |
電柱などへの自損事故 | 〇 | × |
地震・噴火・津波 | × | × |
エコノミー型では自損事故による損害は補償されない場合が多いです。保険料は一般型と比べて安くなりますが、電柱やガードレールへの接触などの自損事故は、補償対象外になります。
自損事故を起こした際は、等級ダウンによる保険料の上昇を気にしがちです。しかし、その前に「加入している車両保険が補償対象となるか」の確認も必要です。
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まとめ
交通事故で車両保険を使用すると、3等級もしくは1等級下がります。等級が下がると、割引額が少なくなり、翌年の保険料はアップします。そのため、車両保険を使用する場合は、修理代と値上がりする保険料を天秤にかけて検討しましょう。
3等級と1等級ダウンするそれぞれのケースは、以下のとおりです。
■3等級ダウンするケース
・交通事故で相手がケガをし、対人賠償保険を使用した場合
・電柱やガードレールに車をぶつけて車両保険を使用した場合
・当て逃げの被害に遭って車両保険を使用した場合
■1等級ダウンするケース
・盗難被害により車両保険を使用した場合
・台風や洪水などの自然災害により車両保険を使用した場合
・いたずらや落書き被害により車両保険を使用した場合
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